波打ち際を歩く。
爪先は夏の名残のラメ入りの、エメラルドグリーン。
小さなラインストーンが露みたいにキラリ、張り付いてる。
あんまり波がまとわりつくようなので足をとめると、
しゃわしゃわと足元に寄せてくるのは、小さな小さな魚たちで、
銀色の鱗を光らせながらくつくつとあたしの足をつっついているんだった。
くつくつくつくつ…
くつくつくつ…
くすぐったくて、後退りした爪先は、
まだらに色が剥げ落ちて、くすんだ爪をのぞかせていた。
爪の根元に残ったラメを、カリカリと剥がして小魚たちにくれてやる。
寒天を愛でよう。 古い日記を掘り起こせ。
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