寒天好き

寒天を愛でよう。 古い日記を掘り起こせ。

あんまり空気がつめたいものだから、吸い込んだ拍子に腹の底がヒャッとしてしまった。 

腹をさすりながら、「中から攻めてくるなんて卑怯じゃないか」とひとりごちる。 




すると、右上のほうから、「すいませんねえ」と返事があった。 


「すいませんねえ、何分、こちらも仕事なものでねえ」 




その言い方があまりに申し訳なさそうだったので、先の怒りはすっかりおさまってしまう。 


冷気のほうにも色々とむつかしい事情があるのだろう(冬型の気圧配置、とか)。 


そのうえこんな時間まで仕事とは、なかなか御苦労なものである。 




コーヒーをすすり腹を温めながら、ごくろうさん、とつぶやいてみる。 


冷たい空気が「すいませんねえ」と窓のそとを駆けてゆく。 


 

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